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懺悔と言うかなんというか
最近投稿を部長に丸投げ気味だった設計の桂です。今日は試験飛行等の近況について少々。

部長からの更新にもあった通り、今年度機体riih(リーフ)は震災からちょうど3か月の6/11、ロールアウトしました。その後、2度のグラウンド試験飛行では急な雨や重心位置のずれから浮上に至りませんでしたが、3度目の試験飛行で初飛行に成功、現在はパイロットの操縦練習に移っています。

と、これだけ書くとそれなりに順調なんですが。


先日の更新にもあった通り、6/19日の長距離試験飛行で早くもクラッシュが発生しました。映像でも明らかな通り、パイロットの操縦による完全なピッチ不安定により姿勢を乱した機体を、更にクルーが強引に掴んだために発生したものです。原因と言う言葉をどう解釈するかにも依りますがこれは完全に設計者である僕のミスによるものと言えます。何故かと言えば、


試験飛行は基本的に、機体の大まかな調整→パイロットのピッチ(機体の上下動)操作の習熟→飛行距離を稼いでの横方向の操縦練習、という手順で進めなければいけません。しかし今年は初飛行から初回の長距離試験飛行までにこなせた飛行はたったの2日分のみ。パイロットのピッチ制御が不安定なまま、角田滑空場へ向かうこととなりました。これについては重々承知していたので、長距離試験飛行のメニューは距離、高度共に抑えて、グラウンドでの学内試験飛行の延長的なものを予定していたわけです。が、始めの4本でピッチ安定、さらに風に対して適切な舵を打てている様子が見えた(シミュレータや過去の機体の挙動の分析など、パイロットの予習の成果ですね)ため、許容高度を上げ、本格的な操縦練習に移ることを決定しました。

今思えば、これが完全にミスでした。今年、震災までの期間では過去最速タイ、かつ効率のよい機体製作に成功していた大きな要因は「急がば回れ」的方針にあったことを、その運営者である自分が完全に忘れてしまっていた、ということでしょうか。

試験飛行の内容と総飛行距離は、高難易度な風環境の琵琶湖では本番のフライトの飛距離にクリティカルに影響します。震災によって発生したロールアウトの大幅な遅れのよる焦りが僕にあったことは確かですね。「ここで攻めなければ勝負にならない」という強迫観念に取りつかれたことは、個人的にも、チーム的にも今後の反省にしていこうと思います。

さて、これによるけが人は幸いにして発生しませんでしたが、機体は翼などに中程度の損傷を受け、特に大きな前後動を受けた左翼桁へのダメージが疑われました。作業場でのクラックチェックの結果特に大きな変化は見られないため、一週間の補修期間を経て、機体点検を兼ねた再フライトに成功、現在は晴れた日の早朝はほぼ全て試験飛行日になる鬼畜日程(笑)での追い上げに入っています。このような日程に毎度お付き合い頂いているOBの方々には頭が上がりません。

どうでもいいですが、桁のクラックチェックで内部の亀裂等の点検の際、桁の中に僕の貧弱な腕がすっぽりと収まったときの自己嫌悪と言ったらもう、言葉にしようがありませんでした。自らの構造体の強化は引退後の宿題でしょうか(笑)

それはさておき。

今年度機体もここ最近は順調な挙動を見せ始めました。角田でのクラッシュ後、パイロットが急速な進歩をみせている一方で、機体側も過激であったピッチ運動をマイルドにするため、尾翼の動きを調整しています。また、全幅33.4mの大型機でありながら狭いグラウンドでも進路を変更できるほどの機動性を見せてくれ、やや安心しているところです。操縦性と機体セッティングの関係についてはまた別の機会に詳しく書こうかと思いますが、簡単に言えば設計時からテーマにしていた、主翼の上半角(翼の反り)と尾翼のレスポンスのつり合いが、かなりバランスされてきた感があります。ちなみに角田での映像では猛烈に反っていますね。あれは旋回性能は抜群でしたがやりすぎ感があり、偏流飛行の妨げになる上にダッチロール傾向も見られたことから現在は少し小さめになるようにワイヤー張力を調整しています。機体側に可変なパロメータが複数存在する利点も、短期間での仕上げに存分に利用するつもりです。

ここで写真を少々。

角田にて。


グラウンドでの飛行中



過去の優勝パイロットさんです。これでどちらか見分けられたあなたは立派な鳥人間マニア(笑)



現在は本番に向けたパーツ製作と試験飛行、機体調整などを並行して行っている状態です。なかなかハードですが、ここがチームにとって踏ん張りどころでしょうから、前進あるのみです。


ではまた。

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