こんばんは。お久しぶりです。Windnauts25代元広報担当の佐々木です。皆様、鳥人間コンテスト2025はご覧になられましたでしょうか。本大会をもって我々25代は引退しました。最後に、部員から引退の挨拶をいただきましたので、ぜひご覧ください。
<代表>
HPをご覧の皆様、いつも応援ありがとうございます。
先日の鳥人間コンテスト2025をもって、全体代表を退任いたしました、長田智亜葵です。
この1年間、学内外から様々な多くの温かいご支援をいただき、本当にありがとうございました。
「悪条件下で30km、好条件下で50km」を目標に掲げ、55名という史上類をみない大人数で始まった一年間は、鳥人間コンテストのルールの大幅な変更によるモチベーションの低下や人数増加による財政の逼迫や連携の困難さなどさまざまな壁がありました。
壁にぶつかるたびに、皆様から応援が財政的にも精神的にも部員にとって大きな支えとなっておりました。
本当にありがとうございました。
次に、私が代表として掲げていた一年間の目標について述べさせていただきます。代表としては、「安全意識の向上」と「チームの意識の統一」の二つを目標として掲げておりました。
一つ目について、これは前年度の部の状況に危機感を感じ、設定しておりました。創造工学センターの使用については、危険行為の認識という点で昨年よりも改善されたように感じています。また、試験飛行等の全体作業においては常に安全性の担保を最優先として執行代を中心に話し合いを重ね、部としての方向性を決めるという体制を作ることができたと考えております。
二つ目については、55人という大所帯のチームになったことをふまえ、設定しておりました。安全性やチームの方向性についての議論の中で異なる方向性を個々人が持つこともありましたが、それでも最終的には安全を第一にコンテストで記録を伸ばせるよう意思は統一できていたと考えております。
最後に、満足のいく機体を製作し、その機体で安全に試験飛行を重ね、琵琶湖で飛ばしたという私たちの一年間の活動は、皆様の支えがなくては実現できないものでした。重ねて感謝申し上げます。
今回のWindnautsの出した記録は応援してくださる皆様の期待に応えるものではなかったかもしれませんが、一年間部員総出で作ってきた機体とエンジンとしてトレーニングを重ねたパイロットの出来は素晴らしいものだったと考えております。
今回の飛行を経て収集したデータやパイロットの経験を糧として今後も後輩達は最高の機体を作っていくと思いますので、変わらずたくさんの応援をいただければ幸いです。
今後ともよろしくお願い致します。
最後に、苦楽を共にした25代の名前を記して引退の挨拶とさせていただきます。
パイロット 波戸陽太郎
全体設計 牛田悠太
全体代表 長田智亜葵
翼班 桑原陽太、佐々木順平、高橋寛人(会計)、長田智亜葵、中村想一郎
プロペラ班 飯島拓巳、佐藤理彩子、田尾育子
フェアリング班 數川晴生、越川亮、関根圭吾
コックピット班 カラム晶、猶木晴也、波戸陽太郎、水内琴乃
駆動班 嶋吉陸、菅原生瞳、富田尚浩、湯瀬茉莉恵
操舵班 牛田悠太、谷本崇賢、長尾仁
電装班 根岸豊、松田愛里、三浦優伽、山田竜雅
25代代表 長田智亜葵
<全体設計>
皆さんこんにちは。
25代全体設計を務めました牛田悠太と申します。
この度、7月27日に行われた鳥人間コンテストにて引退いたしました。ちなみにこの日は私の誕生日でもあり、最高の誕生日を迎えることができました。
さて、引退挨拶ということで今年を軽く振り返ってみようと思います。今年を一言で表すと、「やるかやるかやるか」の一年だったといえると思います。まず、24代が引退してから初めの破壊試験では、1回目は失敗し、試験の翌日から磨き洗い、ケムリースから積層を始めたことを覚えています。このときに、1回目が失敗した原因が明確には分からず、かなり焦りを感じていました。しかし、引継ぎされたことを忠実に行うことで2回目の破壊試験は成功し、本番用の桁焼きに移ることができました。それからは、ひたすら磨き洗いをしてケムリース、積層、温度管理の日々でした。その中で、何度もフィルム積層やごみ積層をして、没を生んでしまい焦りもありましたが、一つ一つ対策を重ねていく中で最後の桁焼きをした2月付近では、私たちの中で桁焼きへの自信のようなものが生まれていた気がします。正直、睡眠時間を削られる桁焼きはきつかったですが、結果的に荷重試験には完璧なものを使うことができたので、それは良かったです。その中で、24代の先輩方には大変お世話になりました。特に設計の稲垣先輩には感謝しております。後輩たちにはこれを引き継いで、同じミスを繰り返さないようにしたいと思っております。
荷重試験までの作業も順調に進み、荷重試験当日を無事に迎えることができました。前日まではあまり緊張していなかったのですが、その夜はやはり不安であまり寝れませんでした。1日目で翼が抜けないトラブルが起き2日目にベルト試験とワイヤー試験の両方を
するというスケジュールになり、終えられるかかなり不安でしたが、結局何事もなく終えられたので良かったです。また、いくら私たちの中では完璧だとはいえ、初めて主桁に飛行時の荷重をかけるのは緊張しました。途中で鳴った音にかなり敏感になってしまっていました。この時に、23代全体設計の小川さんが大丈夫と、声をかけてくれたことでかなり安心できました。
その後は、駆動のシャフトの焼き直しが、なぜか発生しましたが、それ以外は何事もなくTFでした。1stGTFでは組み立ての途中で雨が降ってきてしまい、現役の皆には大変申し訳ないことをさせたと思っております。降水確率は20%だったので許してほしいです。
KTFについては初めは天気が悪く、数を稼げるか不安でしたが結局5回できて、良かったと思います。内容自体も、毎回のフライトごとに反省をし、明確な改善点を出せたことで、全てのTFが有意義なものとなりました。今年のTFは過去を見ても、かなり質の高いものだったのではないでしょうか。KTF終盤は、ランナーの人たちは何をやっているか分からなかったかもしれませんが、機体の挙動の確認や、それに合わせた操舵のタイミング、量、出力の調整など細かい部分を詰めていくような段階に入っていたためだと思います。後輩たちに綺麗な実りのあるTFを見せられて良かったです。
本番での話はテレビ放送を終えてから、OB会報などでご覧ください。
最後に、25代ではホームページの更新があまりなく、申し訳ありません。26代にはマメに更新するよう、伝えておきました。
最後に、現役の皆様には私のやるかやるかやるかのわがままに付き合ってもらって本当に感謝しています。1年間楽しかったです。
OBの皆様には初めから終わりまで強力なサポートをしていただき、ありがとうございました。26代にも引き続き変わらぬご支援ご鞭撻をぜひよろしくお願いいたします。
25代全体設計 牛田悠太
<パイロット>
本年パイロットをしておりました波戸陽太郎です。
我々Windnauts25代は鳥人間コンテスト2025に出場し7.9kmを飛行したものの、目標としていた「好条件で50km悪条件で30km」は達成できませんでした。
原因について様々な方からご意見を頂いておりますが、挙がっています原因は現在、気流の影響、機体の不備、出力不足に大別できると思われます。反対に本年の成果としては、TFの質・量の充実、新技術の試作・導入、エンジンの質向上が挙げられるかと思います。以下それぞれについて少し述べます。
まず気流についてです。電装ログによると、前半の安定飛行中はエンジン出力も安定していますが、後半は瞬間的に高出力を記録しています。フライト中の記憶としても、本来の出力の2倍弱で1分程度、という短時間の高強度を必要とする場面が5回ほどありました。原因としては瞬間的な追い風が考えられます。機体は、追い風に入ると対気速度が下がり、揚力が低下します。浮き続けるためには追い風の分加速し、揚力を回復させる必要があります。しかし人力機というのはもともと、エンジンが出せるパワーと定常飛行に要するパワーにあまり差がない乗り物ですから、無理して加速すれば急速に体力を消耗します。また局所的に下降気流もあったのではないかとの意見もあります。乱れた風によってパワーを上下させなければいけなくなったことが、着水の直接的な原因と考えられます。
次に機体についてです。部員のほとんどが機体を作る側の人間ですから、他の論点(気流や飛び方)に比べて機体に対する理解のほうが深いために、ここに原因を求めがちかと思います。しかし、パイロットとしてフライト中に不自由を感じたことはなく、また着水の直接的な原因でもないように思います。
次に出力不足です。結果からまず。約2年間のトレーニングの結果、FTPは5.3kg/Wとなりました。次にこの2年間の出力推移を述べます。一般にWindnautsパイロットとして目指すべき数値とされる5.0kg/Wは、2年生の4月に達成しパイロット選挙の時点で部の目標(50km/30km)に現実感を与える選択肢として立候補することができました。10月頃までは1800km/月を目安に乗り出力もじわじわとしかし確実に伸びて行きましたが、冬にかけて降雪や閉山通行止めなどにより練習量が減少し出力もやや下降に転じました。パワーだけを見ると2年生の1年間は僅かな上昇に留まりましたが、この間に暑熱への順応練習、持久力の強化(3時間パワーの向上)、フライトシミュレータでの操縦練習を行い、単純なパワー以外の面で大きな成果を得た1年でした。しかし3年生を目前に控えた3/23、福岡から大阪へ山陽道走破の道中で熱中症をきっかけに体調を崩し、練習量、パワー共に大きく低下しました。回復には4月いっぱいを要したものの、5月は学業が忙しくないこともあり練習に集中できた結果、5月末には自己ベストを記録しました。しかしその後TFなどによりゆるやかに減少し本番を迎えることとなりました。反省としては、3月末の熱中症に気づかず続けて無理な練習を強行してしまったこと、3年生の春から夏にかけて練習とTFに集中しきれなかったことがあるかと思います。後輩たちには、無理をしすぎない調整を伝えたり、TF期間のサポートを充実させたりなどして、自分の経験を活かしていければと思います。
距離としてわかりやすい成果を遺せなかった本年ですが、準備は万全と呼べる1年だったと思います。
まずはTFです。設計がTF回数を重視する方針を示していた意図として、機体、エンジンともに学生最強と呼ぶにふさわしい近年のWindnautsにおいて、さらに好記録を目指すには操縦技術の向上が不可欠であるという点が挙げられます。私としても、パイロットの手引き(06年西脇パイロット)より「エンジンである以上に操縦者としての習熟が好記録において重要」との引き継ぎを重視しており、操縦技術の熟練を望んでいました。天候に恵まれないながらも5回の角田滑空所TFを行うことができました。加えて、各TF後にOBの皆様に撮影いただいたフライト映像を設計や設計OBやパイロットOBと1本1本見返し、反省点の洗い出しを行うことができました。ご助言頂いた西脇さん、桂さんありがとうございました。
次に新技術です。翼班による精度向上の新技術やプロペラ班による重量削減の施策も挙げられますが、ここでは自分も試作・強度試験・導入に関わったコクピ班による胴翼接合部のピン化を述べようと思います。従来の長い鉄ビスを用いる構造に対して、短いアルミピンを用いる新構造は、重量面の強みがあるものの強度に不安の残る構造でした。胴体と主翼をつなぐ重要部位なだけに、万一があってはいけないと慎重に3種の強度試験を行い、その全てで十分な強度が確認できたことから実機への導入に至りました。作業に際して、パイロットである私がトレーニングの合間にも作業できるよう、私以外ができる作業を進め、トレーニングに支障のでないよう短い時間で作業を完了できるよう計らってくれたカラムコクピ班長には、頭が上がりません。距離としてわかりやすい結果を遺せなかった本年ですが、新技術に臆することなく挑戦する姿勢を後代に示せた点で、今後のWindnautsの発展に貢献できる1年となることでしょう。
最後にエンジンの質向上です。上にも書きました通り、私は本番から約1年前、既にWindnautsエンジンとして目指すべき数値に達していました。トレーニング面でお世話になった21年久保パイロットより「5.0W/kg以上は単純なパワー上げより、状況に応じてパワーを変化させられる、といった質的な向上を目指すべき」との助言に従い、2年生の間は主に持久力強化や高強度、暑熱環境でのトレーニングを行いました。結果としては風に阻まれトレーニングの成果を発揮する前の着水となってしまったものの、パワーから言えば42.195kmを飛び切ると自信を持って言えるレベルの脚を準備することができました。
好条件で50km悪条件で30km、掲げた目標に見合う機体とエンジンと操縦とを持って臨んだ琵琶湖には、まだ見ぬ風がありました。過去人力機で、下降気流をこれほどはっきり捉えた事例はない、と言われます。他のあらゆる要因(機体不備、暑熱、操縦ミスなど鳥コンでの着水に至りがちな要因)が排除され、またフライトログが完全に残せたことで、詳細な解析と、これまでの理解から一歩進んだ琵琶湖の風に対する対策を後代に遺すことができました。自らの代で結果を残すことに勝ることなどありませんが、後輩たちが我々のフライトと我々の1年を糧にして、いつか琵琶湖の風に勝ってくれることを願い、引退挨拶とします。最後にこの1年間Windnautsをご支援くださった皆様、そして最高の機体を作ってくれた部員に感謝申し上げます。ありがとう。
Windnauts25代 パイロット 波戸陽太郎
<翼>
OBを始め支援してくださった皆様、日頃より大変お世話になっております、25代翼班長を務めておりました中村想一郎です。
今年は25代、26代ともに5人と過去の代に比べて非常に多い人数で一年間作業をしてまいりました。今年度も辞める班員が一人もおらず、その点は非常に良かったのではないかと思います。一方で、1stKTFにおいてIWのリアマウントが剥離するというトラブルもありました。そんな中でも、自分についてきてくれた同期と後輩には本当に感謝しかありません。特に、どんなに作業がつらくても長くても作業し続けてくれ、自分の無茶ぶりにも対応してくれた同期の、桑原、ちあき、順平、寛人には感謝してもしきれません。
25代では、新しく取り入れたこととしては23代以来となるカーボンリブの復活、IW,MW,OWのリブ立ての方法の変更、EOWのリブ立ての方法の変更であります。鳥人間コンテスト2024での端リブのフィルムテンションにおける大幅な変形の抑制、そして僕個人の好みがカーボンリブであったことから、25代では2代ぶりにカーボンリブを復活させました。しかし、肉抜きしたことによる接着面積の低下からか部分的に剥離してしまい、フィルムテンションによりカーボンリブの曲げ剛性が低下し変形してしまう部分もありました。また、リブ立てにおいては今まではリングとリブの固定を針4本で固定していました。しかし、リブキャップ2次を行う際に前縁先端を見てみると、本来あるべき場所と大きくずれていました。また、リブキャップ1次では後縁先端をどう頑張ってもあわせることは出来なく、あきらめていることがありました。この原因は、針で固定することにあるのではないかと考えました。針で固定してはいるものの、スチノリの粘性により戻っているのではないかと考えたわけです。そのため、アルテコFS800と呼ばれる発泡材料用の瞬間接着剤を用いて仮固定し、本固定はスチノリで行うこととしました。その結果、リブキャップ一次で合わずに諦めたリブは0本、二次においては初期でずれたとしても最大で線2本分となり、明らかな精度の向上が見られました。最後に、EOWのリブ立てに関してですが、24代のEOWの後縁先端が上面方向に曲がってしまい、本来は存在しない逆キャンバーが存在してしまったことがありました。この原因を突き止めるべく、翼TPにてEOWも製作してみました。その結果、桁がたわんでいるにもかかわらず、桁がたわんでないと仮定して、リブ立てをしているため本来の迎角から外れた迎角でリブ立てをしていて、後縁先端が本来よりも大きくずれているのに、桁がたわんでいないと仮定してリブキャップ一次をおこない、無理矢理後縁先端を合わせようとしたため、逆キャンバーが誕生してしまったという結論に至りました。そのため、25代では、リブジグに沿ってリブに後縁補強板とリブキャップを3次まで取り付けた後にリブを通して、後縁先端と前縁先端に糸を張った状態で、前縁側と後縁側の糸からのずれを同じくらいにするという方法でリブ立てを行い、桁のたわみに合わせて迎角を固定しようとしました。しかし、手間が多くまた、どのくらいの位置で固定するかの基準は各リブによって異なる、そもそもリブキャップが精度よくついているかの判断ができない等のことから確実に精度の向上につながっているとの断言はできませんが、逆キャンバー自体はなくなったので見た目はよくなったと思います。
26代は、25代で失敗していたところも25代で成功したことも土台にしてさらにより良い翼を作れるように、一年間考え続けて行ってほしいと思います。また、できる限り最大限のサポートをしていきたいと考えていますので、少しでも不安を感じたりわからなくなったらすぐに連絡してほしいと思います。僕らよりもより良い機体を作れることを期待しているので頑張ってください!
最後にはなりましたが、一年間支えて下さったOBや支援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
Windnauts25代 中村想一郎
<プロペラ>
日頃よりお世話になっております。25代プロペラ班班長を務めました、佐藤理彩子です。OBの皆様をはじめ、お力添えをいただいた企業様、活動を応援してくれた家族、Windnautsに関わってくださったすべての方々に心より感謝申し上げます。まず、先日の鳥人間コンテストでは、大きな事故や体調不良等なく無事に機体を飛ばすことができて満足しています。目標としていた結果には及びませんでしたが、学びの多いフライトになったと思います。26代以降の皆さんには、この知見をぜひ自分たちのものにしていってほしいと期待しています。
さて、25代のプロペラ班では、代替わりしてから11月まではカーボンペラの試作に取り組みました。コア材を今までのバルサ材から発泡系の素材であるロハセル材に変更し、軽量化を目指しました。その結果、バルサペラに比べて約160gの軽量化に成功しました。バルサペラの製作が終わってから、カーボンペラのペラチップ製作と表面加工も行い、本番で運用できる形まで仕上げることができました。しかし、4月に行った回転試験では設計ミスが原因で破壊されてしまったので、実用化はもう少し先になりそうです。25代ではTFでの運用を目指していたので、その点は残念でした。ただ、コア材の変更自体に問題はなく表面加工も行うことができたので、25代としては試作の進展はあったと自負しています。カーボンペラの製作は多額のお金と時間をつぎ込んで進めていることの1つなので、焦りは禁物ですができるだけ早く形になるといいと思います。
12月からは本番用のバルサペラの製作を行いました。今年は人数も増え、25代3人、26代3人の計6人での活動でした。班長としての個人的な課題だったのが、人数の増加による引継ぎの甘さです。昨年までは全員が毎日作業に参加していましたが、今年からはシフト制にしました。理由は場所不足と作業の負担軽減です。シフト制に変更しても十分な引継ぎができるよう、進捗状況をカレンダーと写真の両方で記録したり、1つの作業を2人以上に教えたりするよう意識して実践しました。また、今まで口伝だった部分を文章にしてまとめ、マニュアル化したことは良かったと思っています。バルサペラの製作が本格化する春休み、最初の段階で非常に不運な事故(角度調整台ボツ)があり、製作が予定より2週間遅れてしまいました。この遅れを取り戻すために、班員の皆さんには大変な労力と時間を割いていただくことになりました。皆さんのフィジカルの強さに頼りきった計画を立てましたが、文句1つ言わずに(1つくらいは言っていたかもしれませんが)ついてきてくれて、感謝しかありません。どんなに多忙でも、先述の通り引継ぎがおろそかにならないよう心がけました。私はやれることはやったと感じていますが、果たして十分だったかどうかは26代にしか評価できません。26代以降の皆さんは、人数が多いのが当たり前です。Windnautsの強みである技術の継承と新しい製作の両立は難しいと思いますが、時に慎重に、時に挑戦的に進めていってほしいと思います。これからもずっと応援しています。また、カーボンペラ・バルサペラの両方で、ペラ班の先輩には何度も相談に乗っていただき、急な呼び出しにも対応していただきました。本当にありがとうございました。部を引退した今、先輩方にしていただいたことを今度は自分たちがする番だと思いを新たにしています。
最後になりますが、今年度もたくさんのご支援本当にありがとうございました。今後とも引き続きWindnautsのご支援、ご声援のほどよろしくお願いいたします。
25代プロペラ班班長 佐藤理彩子
<フェアリング>
ブログをご覧いただきありがとうございます。25代フェアリング班長を務めました、関根圭吾です。この場をお借りして、ありのままの思いを綴る形で、私自身のこの1年を振り返らせていただきます。
端的にこの1年間を言葉にすると、とても辛い1年でした。班作業でも桁焼きでも思うようにいかないことが多く、先の見えない不安にずっと包まれているような感覚がありました。何をどう頑張れば正解なのか分からず、気づけば空回りして、いろいろな人に迷惑をかけたようなことも多くあったように思います。正直に言うと、何度も途中で投げ出したくなる瞬間がありました。引退した今となって振り返っても、きれいに整理できる言葉は見つかりません。ぼんやりとしたまま残っている感じが、この1年そのものを表しているように感じています。そんな中でも、横で同じように悩んだり、時には笑ったりしてくれる仲間がいたことは確かです。その存在に支えられてなんとかここまで来ることができました。大会本番では思うような結果とはなりませんでしたが、共に過ごした日々や積み重ねてきた努力は、確かに私の中に刻まれています。きっと、この先もふとした瞬間に思い出すものになるのだろう、そんな風に感じています。この一年の出来事や経験は、自分にとってかけがえのないものでした。苦楽を共にした同期や、ついてきてくれた後輩には感謝の気持ちでいっぱいです。恥ずかしさのために面と向かっては言えてませんが、改めてありがとう。
最後にはなりますが、この1年間我々Windnautsをご支援、ご声援くださった皆様に感謝を申し上げます。今年は期待にこたえられるような結果とはなりませんでしたが、来年以降も引き続き温かいご支援、ご声援をよろしくお願いいたします。
<コックピット>
OB並びに支援してくださる皆様、平素より大変お世話になっております。Windnauts25代コックピット班長を務めましたカラム晶です。ここまでの活動を進めるにあたり、OBの皆様や関係者の皆様には多大なるご支援とご指導を賜りました。おかげさまで知識や経験の乏しかった私でもコックピットを無事に完成させることができました。
25代コックピット班は、CWの新型構造導入に最も力を入れました。従来、翼胴間の接合にはボルトをダブルナットで固定する方法が採用されていました。しかし、この締結方法では、トルク管理が困難であり、ボルトの重量にも問題があると感じていました。そこで、翼胴間の接合方法をピン方式へと変更いたしました。結果として、大リングの構造が3.5 mmプレート1枚から、2 mmプレート2枚へとなり、剛性が向上したのに加え、翼側のCWM全体をみてもバルササンドの大リングよりもさらに20 gほどの軽量化に成功しトルク管理の問題も解決しました。また、新型構造導入に伴い、翼胴間接合の引張試験、ねじり試験、待機時試験を実施し安全性を検証しました。引張試験では片側の大リング・おにぎり構造で安全率1.5倍に相当する105 kgfまで耐える結果が得られ、待機時試験ではIWを接合しモーメントの計算上2Gまで耐えることを確認しました。ねじり試験については、ブレーシングやFWMがない状態であり正確な計算は困難だったため、従来のCWを用いて、両者を比較する形で試験を実施しました。また、ねじり試験は前例がなかったため、試験方法の検討にも苦戦しましたが、φ120のマンドレルがはめてあるMBとCWを接合し、CWを固定した状態でマンドレルにモーメントをかけることで試験を行いました。すべての試験で安全性を確認することができ、無事に本番まで問題なく運用することができました。また、この成果は、多くの方々の支えがあってこそ実現できたものです。ピンの設計・強度試験・製作方法についてはOB並びに関係者の皆様から多くのご指導をいただきました。細かな要望に応えてピン製作を担当してくれた駆動班、強度評価や製作方法を共に考えてくれた全体設計およびコックピット班員にも深く感謝しています。実装に至るまでかなりつらいときもありましたが、それ以上にここまでやり切れたことに喜びを感じており、ものづくりの楽しさを知る貴重な経験となりました。
もう一つこだわった点としては、大相貫で使用する水平台にアルミフレームを導入したことです。今までの水平台は折り畳み机を二枚使用し、紙を挟むことで水平を作っていましたが、衝撃で水平が崩れやすく、水平出しにも多くの時間を要していました。そこで25代では水平台にアルミフレームを導入し、従来よりも数時間単位で作業時間を短縮でき、精度も向上しました。アルミフレームでは紙を挟む必要がなくなり、足のアジャスターボルトを回すだけで水平を作ることができました。このことにより治具の固定など水平出し以外のことに集中できるようになり、結果として全体的に良いクオリティのコックピットができたと自負しております。
ピンやアルミフレームの導入など、25代コックピット班では新技術を取り入れつつこれまでの作業の見直しとさらなる精度向上を追求することができました。山あり谷ありの怒涛の一年でしたが、本当に楽しかったです。
最後になりますが、改めてこの一年を支えてくださったOBの皆様並びに支援してくださる皆様に感謝申しあげます。来年以降も変わらぬご支援のほどよろしくお願いいたします。
Windnauts25代コックピット班長カラム晶
<駆動>
日頃よりお世話になっております。25代駆動班長を務めました湯瀬茉莉恵です。1年間を通して25代の活動を応援し、支えてくださった皆さま本当にありがとうございました。今年は優勝こそ叶わなかったものの、琵琶湖のプラホ上から自分たちが作り上げた機体が飛ぶ瞬間を見ることができ本当に嬉しかったです。
執行代になった当初は分からない作業も多く、無事に機体を完成させることができるか不安でした。また今年度の駆動班は25代4人、26代4人と例年よりも人数が多く、26代への作業内容の伝え方や、8人での作業分担をに悩むこともありました。それでも、歴代の先輩方が残してくださった引き継ぎ書や直接サポートしに来てくださった先輩方のおかげで、8人で作業を分担し精度の高いパーツ製作を行うことができたと思います。
本来であればこの人数を生かして新技術構築にも挑戦したかったのですが、実際には他のチームとの意見交換や意見出しにとどまってしまったのが心残りです。コロナの影響で失われていた技術がここ数年の先輩方のおかげで取り戻すことができ、引き継ぎ書なども充実させていただいたおかげで、今年度の駆動班は作業ミスによる2週間ほどの遅れはあったものの、かなりスムーズに金属パーツやシャフトなどの加工を行うことができたと思います。この安定した状況にとどまるのではなく、少しでも軽量化や駆動効率の向上につながるように今後数年かけてまた新技術の構築に挑戦してほしいなと思います。
25代駆動班としては、シムリングを用いたギアボックスの精密な調整に取り組みました。異音をなくし、駆動効率を向上させることを目標に、TFごとに気温に合わせて0.01mm単位でシムリングを調整しました。また、ベアリングをシールド付きのものに変更したり、機体を飛ばす直前までギアボックスをコロナで覆ったり、一見当たり前のように思えることを1つ1つ確実に行ったことで駆動効率の向上につなげることができました。
活動を振り返ると、自分の不器用さが原因で作業がうまくいかなかったり、深夜の桁焼やTFがあったりして大変なこともたくさんありました。それでも駆動班をはじめとして同期や後輩に助けてもらいながら活動を続けることができ、この部活に入って2年半やってきたことに後悔はありません。最後に自分たちの機体が飛ぶ姿を見られて、本当にこのメンバーで頑張ってきてよかったと思います。
最後になりますが、改めまして25代の活動を支えてくださった皆さま、ありがとうございました。今後ともWindnautsの活動へのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
<操舵>
ブログをご覧の皆様、 25代操舵班パートリーダーの長尾仁です。
初めに、OBの方々には機体製作やTF、鳥人間コンテスト本番等の様々な場面で多大なるご協力を頂いたことに感謝申し上げます。
さて、今年度の操舵班の作業について報告させて頂きます。 今年度は25代3人に加えて26代4人が操舵班に配属されたので、例年よりも人員面での余裕があると思っていました。 そのため、 ワイヤーを締結するターンバックルの自作や新型操縦桿など多くの新しい事に挑戦していこうと当初は思っていました。 しかし、 いざ作業が始まると思う様に作業が進まなかったり、 連日レポートに追われたりと新しい事にかけられる時間が非常に少なくなってしまいました。 その中でも可能な限り新技術の研究に時間をかけて、 自作ターンバックルに関しては試作品を作り強度試験を行う一歩手前まで到達しました。 新型操縦桿に関しては取り組むまでに至りませんでした。 作業を手際良く行うことができなかった事を反省するとともに、 これは自作部品の強度試験と合わせて後輩たちに託そうと思います。
また、 機体製作では新しいことに挑戦する事と同様に、 例年通りの事を確実に行うことも重要だと思います。 今年度のTF・大会本番で起こった操舵トラブルは、 TFでボルトが抜けて操縦桿が外れたトラブル(その場で修復)が一件とトラブルが大変少なく運用することができました。 これはひとえに日々の機体製作・TFでの運用が確実に行えていたからだと考えております。 今年度の操舵班を自画自賛するとしたらこの点を挙げさせていただきます。
そして、 今年度の操縦桿に関しては23代の滑らかに動く操縦桿と24代の軽量化された操縦桿のバランスを取ったものを製作することを目標にしていました。 具体的には、 操縦桿に用いるパイプを部分的に自分たちで焼いた桁を使うことで実現しようとしていました。 その結果目標を達成できたので、 過去2代分の操縦桿の設計思想を引き継いで後輩たちにそのまとまった形を見せるという事ができたことは非常に良かったと思います。
最後にはなりますが、 25代の機体が琵琶湖の空を飛ぶことができたのは現役全員とOBの方々、 我々の活動を支援してくださる全ての方々のおかげでございます。 ありがとうございました。
<電装>
OBならびに支援してくださる皆様、お世話になっております。25代電装班長を務めました山田竜雅です。まずは、今年度の機体製作から鳥人間コンテスト本番まで、多くのご支援をいただき、本当にありがとうございました。
25代の電装班は、26代と合わせて6人という比較的大所帯で活動し、いろいろなことに挑戦できた1年でした。Androidアプリの刷新、ピトー管の実装、デジタル簡易無線機の導入など、新しいことにも積極的に取り組み、これまでの成果をさらに発展させられたと感じています。本番では、ほとんどの計器がしっかり作動し、得られたフライトデータを飛行解析にも活用できました。来年度以降も、これまでOBの皆様や私たちが積み上げてきたものをさらに進化させ、より安定したフライトデータの取得やパイロットへの確実な情報伝達を目指してくれるはずです。
最後になりますが、こうして活動できたのは、OBならびに支援してくださる皆様のサポートあってこそです。改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
<代表>
HPをご覧の皆様、いつも応援ありがとうございます。
先日の鳥人間コンテスト2025をもって、全体代表を退任いたしました、長田智亜葵です。
この1年間、学内外から様々な多くの温かいご支援をいただき、本当にありがとうございました。
「悪条件下で30km、好条件下で50km」を目標に掲げ、55名という史上類をみない大人数で始まった一年間は、鳥人間コンテストのルールの大幅な変更によるモチベーションの低下や人数増加による財政の逼迫や連携の困難さなどさまざまな壁がありました。
壁にぶつかるたびに、皆様から応援が財政的にも精神的にも部員にとって大きな支えとなっておりました。
本当にありがとうございました。
次に、私が代表として掲げていた一年間の目標について述べさせていただきます。代表としては、「安全意識の向上」と「チームの意識の統一」の二つを目標として掲げておりました。
一つ目について、これは前年度の部の状況に危機感を感じ、設定しておりました。創造工学センターの使用については、危険行為の認識という点で昨年よりも改善されたように感じています。また、試験飛行等の全体作業においては常に安全性の担保を最優先として執行代を中心に話し合いを重ね、部としての方向性を決めるという体制を作ることができたと考えております。
二つ目については、55人という大所帯のチームになったことをふまえ、設定しておりました。安全性やチームの方向性についての議論の中で異なる方向性を個々人が持つこともありましたが、それでも最終的には安全を第一にコンテストで記録を伸ばせるよう意思は統一できていたと考えております。
最後に、満足のいく機体を製作し、その機体で安全に試験飛行を重ね、琵琶湖で飛ばしたという私たちの一年間の活動は、皆様の支えがなくては実現できないものでした。重ねて感謝申し上げます。
今回のWindnautsの出した記録は応援してくださる皆様の期待に応えるものではなかったかもしれませんが、一年間部員総出で作ってきた機体とエンジンとしてトレーニングを重ねたパイロットの出来は素晴らしいものだったと考えております。
今回の飛行を経て収集したデータやパイロットの経験を糧として今後も後輩達は最高の機体を作っていくと思いますので、変わらずたくさんの応援をいただければ幸いです。
今後ともよろしくお願い致します。
最後に、苦楽を共にした25代の名前を記して引退の挨拶とさせていただきます。
パイロット 波戸陽太郎
全体設計 牛田悠太
全体代表 長田智亜葵
翼班 桑原陽太、佐々木順平、高橋寛人(会計)、長田智亜葵、中村想一郎
プロペラ班 飯島拓巳、佐藤理彩子、田尾育子
フェアリング班 數川晴生、越川亮、関根圭吾
コックピット班 カラム晶、猶木晴也、波戸陽太郎、水内琴乃
駆動班 嶋吉陸、菅原生瞳、富田尚浩、湯瀬茉莉恵
操舵班 牛田悠太、谷本崇賢、長尾仁
電装班 根岸豊、松田愛里、三浦優伽、山田竜雅
25代代表 長田智亜葵
<全体設計>
皆さんこんにちは。
25代全体設計を務めました牛田悠太と申します。
この度、7月27日に行われた鳥人間コンテストにて引退いたしました。ちなみにこの日は私の誕生日でもあり、最高の誕生日を迎えることができました。
さて、引退挨拶ということで今年を軽く振り返ってみようと思います。今年を一言で表すと、「やるかやるかやるか」の一年だったといえると思います。まず、24代が引退してから初めの破壊試験では、1回目は失敗し、試験の翌日から磨き洗い、ケムリースから積層を始めたことを覚えています。このときに、1回目が失敗した原因が明確には分からず、かなり焦りを感じていました。しかし、引継ぎされたことを忠実に行うことで2回目の破壊試験は成功し、本番用の桁焼きに移ることができました。それからは、ひたすら磨き洗いをしてケムリース、積層、温度管理の日々でした。その中で、何度もフィルム積層やごみ積層をして、没を生んでしまい焦りもありましたが、一つ一つ対策を重ねていく中で最後の桁焼きをした2月付近では、私たちの中で桁焼きへの自信のようなものが生まれていた気がします。正直、睡眠時間を削られる桁焼きはきつかったですが、結果的に荷重試験には完璧なものを使うことができたので、それは良かったです。その中で、24代の先輩方には大変お世話になりました。特に設計の稲垣先輩には感謝しております。後輩たちにはこれを引き継いで、同じミスを繰り返さないようにしたいと思っております。
荷重試験までの作業も順調に進み、荷重試験当日を無事に迎えることができました。前日まではあまり緊張していなかったのですが、その夜はやはり不安であまり寝れませんでした。1日目で翼が抜けないトラブルが起き2日目にベルト試験とワイヤー試験の両方を
するというスケジュールになり、終えられるかかなり不安でしたが、結局何事もなく終えられたので良かったです。また、いくら私たちの中では完璧だとはいえ、初めて主桁に飛行時の荷重をかけるのは緊張しました。途中で鳴った音にかなり敏感になってしまっていました。この時に、23代全体設計の小川さんが大丈夫と、声をかけてくれたことでかなり安心できました。
その後は、駆動のシャフトの焼き直しが、なぜか発生しましたが、それ以外は何事もなくTFでした。1stGTFでは組み立ての途中で雨が降ってきてしまい、現役の皆には大変申し訳ないことをさせたと思っております。降水確率は20%だったので許してほしいです。
KTFについては初めは天気が悪く、数を稼げるか不安でしたが結局5回できて、良かったと思います。内容自体も、毎回のフライトごとに反省をし、明確な改善点を出せたことで、全てのTFが有意義なものとなりました。今年のTFは過去を見ても、かなり質の高いものだったのではないでしょうか。KTF終盤は、ランナーの人たちは何をやっているか分からなかったかもしれませんが、機体の挙動の確認や、それに合わせた操舵のタイミング、量、出力の調整など細かい部分を詰めていくような段階に入っていたためだと思います。後輩たちに綺麗な実りのあるTFを見せられて良かったです。
本番での話はテレビ放送を終えてから、OB会報などでご覧ください。
最後に、25代ではホームページの更新があまりなく、申し訳ありません。26代にはマメに更新するよう、伝えておきました。
最後に、現役の皆様には私のやるかやるかやるかのわがままに付き合ってもらって本当に感謝しています。1年間楽しかったです。
OBの皆様には初めから終わりまで強力なサポートをしていただき、ありがとうございました。26代にも引き続き変わらぬご支援ご鞭撻をぜひよろしくお願いいたします。
25代全体設計 牛田悠太
<パイロット>
本年パイロットをしておりました波戸陽太郎です。
我々Windnauts25代は鳥人間コンテスト2025に出場し7.9kmを飛行したものの、目標としていた「好条件で50km悪条件で30km」は達成できませんでした。
原因について様々な方からご意見を頂いておりますが、挙がっています原因は現在、気流の影響、機体の不備、出力不足に大別できると思われます。反対に本年の成果としては、TFの質・量の充実、新技術の試作・導入、エンジンの質向上が挙げられるかと思います。以下それぞれについて少し述べます。
まず気流についてです。電装ログによると、前半の安定飛行中はエンジン出力も安定していますが、後半は瞬間的に高出力を記録しています。フライト中の記憶としても、本来の出力の2倍弱で1分程度、という短時間の高強度を必要とする場面が5回ほどありました。原因としては瞬間的な追い風が考えられます。機体は、追い風に入ると対気速度が下がり、揚力が低下します。浮き続けるためには追い風の分加速し、揚力を回復させる必要があります。しかし人力機というのはもともと、エンジンが出せるパワーと定常飛行に要するパワーにあまり差がない乗り物ですから、無理して加速すれば急速に体力を消耗します。また局所的に下降気流もあったのではないかとの意見もあります。乱れた風によってパワーを上下させなければいけなくなったことが、着水の直接的な原因と考えられます。
次に機体についてです。部員のほとんどが機体を作る側の人間ですから、他の論点(気流や飛び方)に比べて機体に対する理解のほうが深いために、ここに原因を求めがちかと思います。しかし、パイロットとしてフライト中に不自由を感じたことはなく、また着水の直接的な原因でもないように思います。
次に出力不足です。結果からまず。約2年間のトレーニングの結果、FTPは5.3kg/Wとなりました。次にこの2年間の出力推移を述べます。一般にWindnautsパイロットとして目指すべき数値とされる5.0kg/Wは、2年生の4月に達成しパイロット選挙の時点で部の目標(50km/30km)に現実感を与える選択肢として立候補することができました。10月頃までは1800km/月を目安に乗り出力もじわじわとしかし確実に伸びて行きましたが、冬にかけて降雪や閉山通行止めなどにより練習量が減少し出力もやや下降に転じました。パワーだけを見ると2年生の1年間は僅かな上昇に留まりましたが、この間に暑熱への順応練習、持久力の強化(3時間パワーの向上)、フライトシミュレータでの操縦練習を行い、単純なパワー以外の面で大きな成果を得た1年でした。しかし3年生を目前に控えた3/23、福岡から大阪へ山陽道走破の道中で熱中症をきっかけに体調を崩し、練習量、パワー共に大きく低下しました。回復には4月いっぱいを要したものの、5月は学業が忙しくないこともあり練習に集中できた結果、5月末には自己ベストを記録しました。しかしその後TFなどによりゆるやかに減少し本番を迎えることとなりました。反省としては、3月末の熱中症に気づかず続けて無理な練習を強行してしまったこと、3年生の春から夏にかけて練習とTFに集中しきれなかったことがあるかと思います。後輩たちには、無理をしすぎない調整を伝えたり、TF期間のサポートを充実させたりなどして、自分の経験を活かしていければと思います。
距離としてわかりやすい成果を遺せなかった本年ですが、準備は万全と呼べる1年だったと思います。
まずはTFです。設計がTF回数を重視する方針を示していた意図として、機体、エンジンともに学生最強と呼ぶにふさわしい近年のWindnautsにおいて、さらに好記録を目指すには操縦技術の向上が不可欠であるという点が挙げられます。私としても、パイロットの手引き(06年西脇パイロット)より「エンジンである以上に操縦者としての習熟が好記録において重要」との引き継ぎを重視しており、操縦技術の熟練を望んでいました。天候に恵まれないながらも5回の角田滑空所TFを行うことができました。加えて、各TF後にOBの皆様に撮影いただいたフライト映像を設計や設計OBやパイロットOBと1本1本見返し、反省点の洗い出しを行うことができました。ご助言頂いた西脇さん、桂さんありがとうございました。
次に新技術です。翼班による精度向上の新技術やプロペラ班による重量削減の施策も挙げられますが、ここでは自分も試作・強度試験・導入に関わったコクピ班による胴翼接合部のピン化を述べようと思います。従来の長い鉄ビスを用いる構造に対して、短いアルミピンを用いる新構造は、重量面の強みがあるものの強度に不安の残る構造でした。胴体と主翼をつなぐ重要部位なだけに、万一があってはいけないと慎重に3種の強度試験を行い、その全てで十分な強度が確認できたことから実機への導入に至りました。作業に際して、パイロットである私がトレーニングの合間にも作業できるよう、私以外ができる作業を進め、トレーニングに支障のでないよう短い時間で作業を完了できるよう計らってくれたカラムコクピ班長には、頭が上がりません。距離としてわかりやすい結果を遺せなかった本年ですが、新技術に臆することなく挑戦する姿勢を後代に示せた点で、今後のWindnautsの発展に貢献できる1年となることでしょう。
最後にエンジンの質向上です。上にも書きました通り、私は本番から約1年前、既にWindnautsエンジンとして目指すべき数値に達していました。トレーニング面でお世話になった21年久保パイロットより「5.0W/kg以上は単純なパワー上げより、状況に応じてパワーを変化させられる、といった質的な向上を目指すべき」との助言に従い、2年生の間は主に持久力強化や高強度、暑熱環境でのトレーニングを行いました。結果としては風に阻まれトレーニングの成果を発揮する前の着水となってしまったものの、パワーから言えば42.195kmを飛び切ると自信を持って言えるレベルの脚を準備することができました。
好条件で50km悪条件で30km、掲げた目標に見合う機体とエンジンと操縦とを持って臨んだ琵琶湖には、まだ見ぬ風がありました。過去人力機で、下降気流をこれほどはっきり捉えた事例はない、と言われます。他のあらゆる要因(機体不備、暑熱、操縦ミスなど鳥コンでの着水に至りがちな要因)が排除され、またフライトログが完全に残せたことで、詳細な解析と、これまでの理解から一歩進んだ琵琶湖の風に対する対策を後代に遺すことができました。自らの代で結果を残すことに勝ることなどありませんが、後輩たちが我々のフライトと我々の1年を糧にして、いつか琵琶湖の風に勝ってくれることを願い、引退挨拶とします。最後にこの1年間Windnautsをご支援くださった皆様、そして最高の機体を作ってくれた部員に感謝申し上げます。ありがとう。
Windnauts25代 パイロット 波戸陽太郎
<翼>
OBを始め支援してくださった皆様、日頃より大変お世話になっております、25代翼班長を務めておりました中村想一郎です。
今年は25代、26代ともに5人と過去の代に比べて非常に多い人数で一年間作業をしてまいりました。今年度も辞める班員が一人もおらず、その点は非常に良かったのではないかと思います。一方で、1stKTFにおいてIWのリアマウントが剥離するというトラブルもありました。そんな中でも、自分についてきてくれた同期と後輩には本当に感謝しかありません。特に、どんなに作業がつらくても長くても作業し続けてくれ、自分の無茶ぶりにも対応してくれた同期の、桑原、ちあき、順平、寛人には感謝してもしきれません。
25代では、新しく取り入れたこととしては23代以来となるカーボンリブの復活、IW,MW,OWのリブ立ての方法の変更、EOWのリブ立ての方法の変更であります。鳥人間コンテスト2024での端リブのフィルムテンションにおける大幅な変形の抑制、そして僕個人の好みがカーボンリブであったことから、25代では2代ぶりにカーボンリブを復活させました。しかし、肉抜きしたことによる接着面積の低下からか部分的に剥離してしまい、フィルムテンションによりカーボンリブの曲げ剛性が低下し変形してしまう部分もありました。また、リブ立てにおいては今まではリングとリブの固定を針4本で固定していました。しかし、リブキャップ2次を行う際に前縁先端を見てみると、本来あるべき場所と大きくずれていました。また、リブキャップ1次では後縁先端をどう頑張ってもあわせることは出来なく、あきらめていることがありました。この原因は、針で固定することにあるのではないかと考えました。針で固定してはいるものの、スチノリの粘性により戻っているのではないかと考えたわけです。そのため、アルテコFS800と呼ばれる発泡材料用の瞬間接着剤を用いて仮固定し、本固定はスチノリで行うこととしました。その結果、リブキャップ一次で合わずに諦めたリブは0本、二次においては初期でずれたとしても最大で線2本分となり、明らかな精度の向上が見られました。最後に、EOWのリブ立てに関してですが、24代のEOWの後縁先端が上面方向に曲がってしまい、本来は存在しない逆キャンバーが存在してしまったことがありました。この原因を突き止めるべく、翼TPにてEOWも製作してみました。その結果、桁がたわんでいるにもかかわらず、桁がたわんでないと仮定して、リブ立てをしているため本来の迎角から外れた迎角でリブ立てをしていて、後縁先端が本来よりも大きくずれているのに、桁がたわんでいないと仮定してリブキャップ一次をおこない、無理矢理後縁先端を合わせようとしたため、逆キャンバーが誕生してしまったという結論に至りました。そのため、25代では、リブジグに沿ってリブに後縁補強板とリブキャップを3次まで取り付けた後にリブを通して、後縁先端と前縁先端に糸を張った状態で、前縁側と後縁側の糸からのずれを同じくらいにするという方法でリブ立てを行い、桁のたわみに合わせて迎角を固定しようとしました。しかし、手間が多くまた、どのくらいの位置で固定するかの基準は各リブによって異なる、そもそもリブキャップが精度よくついているかの判断ができない等のことから確実に精度の向上につながっているとの断言はできませんが、逆キャンバー自体はなくなったので見た目はよくなったと思います。
26代は、25代で失敗していたところも25代で成功したことも土台にしてさらにより良い翼を作れるように、一年間考え続けて行ってほしいと思います。また、できる限り最大限のサポートをしていきたいと考えていますので、少しでも不安を感じたりわからなくなったらすぐに連絡してほしいと思います。僕らよりもより良い機体を作れることを期待しているので頑張ってください!
最後にはなりましたが、一年間支えて下さったOBや支援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
Windnauts25代 中村想一郎
<プロペラ>
日頃よりお世話になっております。25代プロペラ班班長を務めました、佐藤理彩子です。OBの皆様をはじめ、お力添えをいただいた企業様、活動を応援してくれた家族、Windnautsに関わってくださったすべての方々に心より感謝申し上げます。まず、先日の鳥人間コンテストでは、大きな事故や体調不良等なく無事に機体を飛ばすことができて満足しています。目標としていた結果には及びませんでしたが、学びの多いフライトになったと思います。26代以降の皆さんには、この知見をぜひ自分たちのものにしていってほしいと期待しています。
さて、25代のプロペラ班では、代替わりしてから11月まではカーボンペラの試作に取り組みました。コア材を今までのバルサ材から発泡系の素材であるロハセル材に変更し、軽量化を目指しました。その結果、バルサペラに比べて約160gの軽量化に成功しました。バルサペラの製作が終わってから、カーボンペラのペラチップ製作と表面加工も行い、本番で運用できる形まで仕上げることができました。しかし、4月に行った回転試験では設計ミスが原因で破壊されてしまったので、実用化はもう少し先になりそうです。25代ではTFでの運用を目指していたので、その点は残念でした。ただ、コア材の変更自体に問題はなく表面加工も行うことができたので、25代としては試作の進展はあったと自負しています。カーボンペラの製作は多額のお金と時間をつぎ込んで進めていることの1つなので、焦りは禁物ですができるだけ早く形になるといいと思います。
12月からは本番用のバルサペラの製作を行いました。今年は人数も増え、25代3人、26代3人の計6人での活動でした。班長としての個人的な課題だったのが、人数の増加による引継ぎの甘さです。昨年までは全員が毎日作業に参加していましたが、今年からはシフト制にしました。理由は場所不足と作業の負担軽減です。シフト制に変更しても十分な引継ぎができるよう、進捗状況をカレンダーと写真の両方で記録したり、1つの作業を2人以上に教えたりするよう意識して実践しました。また、今まで口伝だった部分を文章にしてまとめ、マニュアル化したことは良かったと思っています。バルサペラの製作が本格化する春休み、最初の段階で非常に不運な事故(角度調整台ボツ)があり、製作が予定より2週間遅れてしまいました。この遅れを取り戻すために、班員の皆さんには大変な労力と時間を割いていただくことになりました。皆さんのフィジカルの強さに頼りきった計画を立てましたが、文句1つ言わずに(1つくらいは言っていたかもしれませんが)ついてきてくれて、感謝しかありません。どんなに多忙でも、先述の通り引継ぎがおろそかにならないよう心がけました。私はやれることはやったと感じていますが、果たして十分だったかどうかは26代にしか評価できません。26代以降の皆さんは、人数が多いのが当たり前です。Windnautsの強みである技術の継承と新しい製作の両立は難しいと思いますが、時に慎重に、時に挑戦的に進めていってほしいと思います。これからもずっと応援しています。また、カーボンペラ・バルサペラの両方で、ペラ班の先輩には何度も相談に乗っていただき、急な呼び出しにも対応していただきました。本当にありがとうございました。部を引退した今、先輩方にしていただいたことを今度は自分たちがする番だと思いを新たにしています。
最後になりますが、今年度もたくさんのご支援本当にありがとうございました。今後とも引き続きWindnautsのご支援、ご声援のほどよろしくお願いいたします。
25代プロペラ班班長 佐藤理彩子
<フェアリング>
ブログをご覧いただきありがとうございます。25代フェアリング班長を務めました、関根圭吾です。この場をお借りして、ありのままの思いを綴る形で、私自身のこの1年を振り返らせていただきます。
端的にこの1年間を言葉にすると、とても辛い1年でした。班作業でも桁焼きでも思うようにいかないことが多く、先の見えない不安にずっと包まれているような感覚がありました。何をどう頑張れば正解なのか分からず、気づけば空回りして、いろいろな人に迷惑をかけたようなことも多くあったように思います。正直に言うと、何度も途中で投げ出したくなる瞬間がありました。引退した今となって振り返っても、きれいに整理できる言葉は見つかりません。ぼんやりとしたまま残っている感じが、この1年そのものを表しているように感じています。そんな中でも、横で同じように悩んだり、時には笑ったりしてくれる仲間がいたことは確かです。その存在に支えられてなんとかここまで来ることができました。大会本番では思うような結果とはなりませんでしたが、共に過ごした日々や積み重ねてきた努力は、確かに私の中に刻まれています。きっと、この先もふとした瞬間に思い出すものになるのだろう、そんな風に感じています。この一年の出来事や経験は、自分にとってかけがえのないものでした。苦楽を共にした同期や、ついてきてくれた後輩には感謝の気持ちでいっぱいです。恥ずかしさのために面と向かっては言えてませんが、改めてありがとう。
最後にはなりますが、この1年間我々Windnautsをご支援、ご声援くださった皆様に感謝を申し上げます。今年は期待にこたえられるような結果とはなりませんでしたが、来年以降も引き続き温かいご支援、ご声援をよろしくお願いいたします。
<コックピット>
OB並びに支援してくださる皆様、平素より大変お世話になっております。Windnauts25代コックピット班長を務めましたカラム晶です。ここまでの活動を進めるにあたり、OBの皆様や関係者の皆様には多大なるご支援とご指導を賜りました。おかげさまで知識や経験の乏しかった私でもコックピットを無事に完成させることができました。
25代コックピット班は、CWの新型構造導入に最も力を入れました。従来、翼胴間の接合にはボルトをダブルナットで固定する方法が採用されていました。しかし、この締結方法では、トルク管理が困難であり、ボルトの重量にも問題があると感じていました。そこで、翼胴間の接合方法をピン方式へと変更いたしました。結果として、大リングの構造が3.5 mmプレート1枚から、2 mmプレート2枚へとなり、剛性が向上したのに加え、翼側のCWM全体をみてもバルササンドの大リングよりもさらに20 gほどの軽量化に成功しトルク管理の問題も解決しました。また、新型構造導入に伴い、翼胴間接合の引張試験、ねじり試験、待機時試験を実施し安全性を検証しました。引張試験では片側の大リング・おにぎり構造で安全率1.5倍に相当する105 kgfまで耐える結果が得られ、待機時試験ではIWを接合しモーメントの計算上2Gまで耐えることを確認しました。ねじり試験については、ブレーシングやFWMがない状態であり正確な計算は困難だったため、従来のCWを用いて、両者を比較する形で試験を実施しました。また、ねじり試験は前例がなかったため、試験方法の検討にも苦戦しましたが、φ120のマンドレルがはめてあるMBとCWを接合し、CWを固定した状態でマンドレルにモーメントをかけることで試験を行いました。すべての試験で安全性を確認することができ、無事に本番まで問題なく運用することができました。また、この成果は、多くの方々の支えがあってこそ実現できたものです。ピンの設計・強度試験・製作方法についてはOB並びに関係者の皆様から多くのご指導をいただきました。細かな要望に応えてピン製作を担当してくれた駆動班、強度評価や製作方法を共に考えてくれた全体設計およびコックピット班員にも深く感謝しています。実装に至るまでかなりつらいときもありましたが、それ以上にここまでやり切れたことに喜びを感じており、ものづくりの楽しさを知る貴重な経験となりました。
もう一つこだわった点としては、大相貫で使用する水平台にアルミフレームを導入したことです。今までの水平台は折り畳み机を二枚使用し、紙を挟むことで水平を作っていましたが、衝撃で水平が崩れやすく、水平出しにも多くの時間を要していました。そこで25代では水平台にアルミフレームを導入し、従来よりも数時間単位で作業時間を短縮でき、精度も向上しました。アルミフレームでは紙を挟む必要がなくなり、足のアジャスターボルトを回すだけで水平を作ることができました。このことにより治具の固定など水平出し以外のことに集中できるようになり、結果として全体的に良いクオリティのコックピットができたと自負しております。
ピンやアルミフレームの導入など、25代コックピット班では新技術を取り入れつつこれまでの作業の見直しとさらなる精度向上を追求することができました。山あり谷ありの怒涛の一年でしたが、本当に楽しかったです。
最後になりますが、改めてこの一年を支えてくださったOBの皆様並びに支援してくださる皆様に感謝申しあげます。来年以降も変わらぬご支援のほどよろしくお願いいたします。
Windnauts25代コックピット班長カラム晶
<駆動>
日頃よりお世話になっております。25代駆動班長を務めました湯瀬茉莉恵です。1年間を通して25代の活動を応援し、支えてくださった皆さま本当にありがとうございました。今年は優勝こそ叶わなかったものの、琵琶湖のプラホ上から自分たちが作り上げた機体が飛ぶ瞬間を見ることができ本当に嬉しかったです。
執行代になった当初は分からない作業も多く、無事に機体を完成させることができるか不安でした。また今年度の駆動班は25代4人、26代4人と例年よりも人数が多く、26代への作業内容の伝え方や、8人での作業分担をに悩むこともありました。それでも、歴代の先輩方が残してくださった引き継ぎ書や直接サポートしに来てくださった先輩方のおかげで、8人で作業を分担し精度の高いパーツ製作を行うことができたと思います。
本来であればこの人数を生かして新技術構築にも挑戦したかったのですが、実際には他のチームとの意見交換や意見出しにとどまってしまったのが心残りです。コロナの影響で失われていた技術がここ数年の先輩方のおかげで取り戻すことができ、引き継ぎ書なども充実させていただいたおかげで、今年度の駆動班は作業ミスによる2週間ほどの遅れはあったものの、かなりスムーズに金属パーツやシャフトなどの加工を行うことができたと思います。この安定した状況にとどまるのではなく、少しでも軽量化や駆動効率の向上につながるように今後数年かけてまた新技術の構築に挑戦してほしいなと思います。
25代駆動班としては、シムリングを用いたギアボックスの精密な調整に取り組みました。異音をなくし、駆動効率を向上させることを目標に、TFごとに気温に合わせて0.01mm単位でシムリングを調整しました。また、ベアリングをシールド付きのものに変更したり、機体を飛ばす直前までギアボックスをコロナで覆ったり、一見当たり前のように思えることを1つ1つ確実に行ったことで駆動効率の向上につなげることができました。
活動を振り返ると、自分の不器用さが原因で作業がうまくいかなかったり、深夜の桁焼やTFがあったりして大変なこともたくさんありました。それでも駆動班をはじめとして同期や後輩に助けてもらいながら活動を続けることができ、この部活に入って2年半やってきたことに後悔はありません。最後に自分たちの機体が飛ぶ姿を見られて、本当にこのメンバーで頑張ってきてよかったと思います。
最後になりますが、改めまして25代の活動を支えてくださった皆さま、ありがとうございました。今後ともWindnautsの活動へのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
<操舵>
ブログをご覧の皆様、 25代操舵班パートリーダーの長尾仁です。
初めに、OBの方々には機体製作やTF、鳥人間コンテスト本番等の様々な場面で多大なるご協力を頂いたことに感謝申し上げます。
さて、今年度の操舵班の作業について報告させて頂きます。 今年度は25代3人に加えて26代4人が操舵班に配属されたので、例年よりも人員面での余裕があると思っていました。 そのため、 ワイヤーを締結するターンバックルの自作や新型操縦桿など多くの新しい事に挑戦していこうと当初は思っていました。 しかし、 いざ作業が始まると思う様に作業が進まなかったり、 連日レポートに追われたりと新しい事にかけられる時間が非常に少なくなってしまいました。 その中でも可能な限り新技術の研究に時間をかけて、 自作ターンバックルに関しては試作品を作り強度試験を行う一歩手前まで到達しました。 新型操縦桿に関しては取り組むまでに至りませんでした。 作業を手際良く行うことができなかった事を反省するとともに、 これは自作部品の強度試験と合わせて後輩たちに託そうと思います。
また、 機体製作では新しいことに挑戦する事と同様に、 例年通りの事を確実に行うことも重要だと思います。 今年度のTF・大会本番で起こった操舵トラブルは、 TFでボルトが抜けて操縦桿が外れたトラブル(その場で修復)が一件とトラブルが大変少なく運用することができました。 これはひとえに日々の機体製作・TFでの運用が確実に行えていたからだと考えております。 今年度の操舵班を自画自賛するとしたらこの点を挙げさせていただきます。
そして、 今年度の操縦桿に関しては23代の滑らかに動く操縦桿と24代の軽量化された操縦桿のバランスを取ったものを製作することを目標にしていました。 具体的には、 操縦桿に用いるパイプを部分的に自分たちで焼いた桁を使うことで実現しようとしていました。 その結果目標を達成できたので、 過去2代分の操縦桿の設計思想を引き継いで後輩たちにそのまとまった形を見せるという事ができたことは非常に良かったと思います。
最後にはなりますが、 25代の機体が琵琶湖の空を飛ぶことができたのは現役全員とOBの方々、 我々の活動を支援してくださる全ての方々のおかげでございます。 ありがとうございました。
<電装>
OBならびに支援してくださる皆様、お世話になっております。25代電装班長を務めました山田竜雅です。まずは、今年度の機体製作から鳥人間コンテスト本番まで、多くのご支援をいただき、本当にありがとうございました。
25代の電装班は、26代と合わせて6人という比較的大所帯で活動し、いろいろなことに挑戦できた1年でした。Androidアプリの刷新、ピトー管の実装、デジタル簡易無線機の導入など、新しいことにも積極的に取り組み、これまでの成果をさらに発展させられたと感じています。本番では、ほとんどの計器がしっかり作動し、得られたフライトデータを飛行解析にも活用できました。来年度以降も、これまでOBの皆様や私たちが積み上げてきたものをさらに進化させ、より安定したフライトデータの取得やパイロットへの確実な情報伝達を目指してくれるはずです。
最後になりますが、こうして活動できたのは、OBならびに支援してくださる皆様のサポートあってこそです。改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
2025,09,03 Wed 20:47
